アーバンエックスで働くメンバーのインタビュー企画。今回は、企業とのPoCや東京都との盛土プロジェクトを手がけている事業開発部に新たに加わった椎野さんのインタビューです。これまでのキャリアや、事業開発部にジョインした理由について語ってもらいました。

事業開発部 椎野寿樹
カナダにあるカールトン大学にてコンピュータービジョン分野を専攻し、卒業後は画像処理技術に特化したソフトウェア事業をグローバルに展開する会社に入社。アルゴリズム開発、製品開発、FAE(フィールドアプリケーションエンジニア)、プロジェクトマネージャーとして幅広いエンジニア業務に従事。また、エンジニアとしての経験を活かし、海外顧客向けの事業開発にも取り組む。2024年11月より、アーバンエックステクノロジーズに参画。
原点は、高校時代の留学経験
高校時代、「英語話せるようになったら、頭の中はどうなるんだろう?」という純粋な思いつきから、英語に興味をもち、2年次にカナダに留学を経験しました。同級生のお母さんが留学斡旋の仕事をしていた関係で融通が効き、現地の公立高校に進学することができました。初めは1年間の滞在予定でしたが、ようやく聞き取れるようになった程度だったので、そのままカナダに残る事を決断し、その後は、オタワにあるカールトン大学でコンピューターサイエンスを学びました。在学中に「コンピュータービジョン」という画像処理系の授業を選択したことがきっかけで、画像処理系の技術や理論に興味を持ち、専攻しました。高校から大学までの生活を入れるとのべ、8年はカナダ生活をしていたことになります。
大学在学中最後の夏休みに、インターンシップで当時携帯電話カメラ向けに画像処理の組み込みソフトウェアの製品開発を行なっている日本の会社と出会い、約2ヶ月半働きました。本当に充実した毎日を送っていた事を今でも覚えています。
インターン終了時に、会社から「無事に大学卒業したら、入っていいよ」という言葉を頂いたので、私はその言葉をそのまま鵜呑みし、新卒ではその会社に入社しちゃいました(笑)。
「ガラケー」から「スマホ」でアルゴリズム開発からFAEへ
入社当時は、エンジニアとして画像処理アルゴリズムの研究開発に従事していました。画像処理のソフトウェア会社としては、花形の職務に就けたと当時は思っていましたね。業務は大変でしたが、周りの優秀な先輩方に恵まれていたので、充実した日々を過ごしたのを覚えています。
入社2〜3年後、携帯電話はいわゆる「ガラケー」から「スマホ」に時代が変わる時を迎えます。日本のガラケー市場はほぼ国内電機メーカー製だったのに反し、スマホ市場に変わるにつれ、海外電機メーカー製になっていきました。それに伴い、ビジネスも日本国内からグローバルへシフトしていきました。当時会社には、直接英語でお客さんと話せるエンジニアが少なかったので、留学経験がある私がお客様との技術窓口になることが増えていきました。そして結果的に、お客様へのサポート業務や、画像のチューニング作業を担当するフィールドアプリケーションエンジニア(FAE)として働くようになりました。この経験を経て、製品を作るよりも顧客と直接接点を持って顧客ニーズに応えるような仕事に興味を持つようになりました。
画像の画質には正解がありません。10人いれば、10通りの正解があります。またソフトウェアが同じでも、カメラのレンズやイメージセンサーが異なれば、画像の画質も変わってきます。チューニング作業は、毎回異なる条件の中、お客さんと一緒に画質の正解を見つけていく地味な作業になります。でも最後にお客さんから「ありがとう」と言ってもらえる事が何よりも嬉しかったです。
40代で自分は何をするのか。一度リセットしたいという気持ち
海外の顧客を中心とした対応がうまく進み始めると、徐々にお客様のプロジェクト全体のマネジメントに従事する様になりました。2〜3種類の機能であれば一人で管理出来るものの、お客様によっては自分一人では対応しきれない規模まで拡大していきます。最終的に前職では、プロジェクトマネージャーや新規機能の提案といった事業開発の業務もするようになりました。
そんな前職での経験を振り返ると、20代は武者修行。30代になってその修行のアウトプットが花開き、成果へとつながった…というのが自分自身の解釈です。そして40代になった今、これからは何をするのだろうか?と自分に問うてみた時、改めて「再出発」してみようという気持ちが芽生えたんです。たまたまそんなタイミングで、代表の前田さんからの声かけがあり、全く興味がなかったわけではないのでお話を聞いたことから今があります。
アーバンエックスは、再出発に最高の舞台だった
アーバンエックスは、前職に入社した頃とちょうど同じ規模(2024年12月現在社員数20名弱)です。
「再出発」をする舞台としては、自分に一番合っている会社かもしれないと思えました。もうすでに20年にわたって社会人経験を積んだ自分が、もう1回挑戦できるというワクワク感を得たので転職を決断できました。
決め手は前田さんの人柄ですね。もちろん、展開している事業も、自身の画像処理に関する知見が生きると思い興味を持ちました。
今アーバンエックスのプロダクトは、主に道路の損傷検知をメインに進めていますが、事業開発では、電柱、標識、道路(高速道路)などの都市インフラ管理についても検証プロジェクトに取り組み、新しいプロダクトにつながる様な業務に取り組んでいます。
「椎野といえば」という実績を作りたい
せっかくアーバンエックスに入社したので、事業開発部として新しい事業の設立にも取り組んでみたいと考えています。「椎野と言ったらこれ」とわれるような、代名詞となる事業を1つ成功させたいですね。
前職での20年間では、会社が10名規模から、国内100名、世界全体で150名規模になる、本当に楽しいフェーズを見ることができました。アーバンエックスも、新しいメンバーが増えていき、そして、お客さんに喜んでもらえる実感が高まってくるフェーズが近づいてきていると思います。将来的には、アーバンエックスのサービスが、インフラ管理のデファクトスタンダードになれたらいいですね。そんな成長途上の場所でまた働けることが、私にとっての喜びです。