株式会社アーバンエックステクノロジーズ(本社:東京都渋谷区、代表:前田 紘弥、以下 アーバンエックス)は、自社開発のAIを活用した道路損傷検知サービス「RoadManager(ロードマネージャー)」の関連サービスとして、「RoadManager 路面性状簡易評価パッケージ(仮称:以下、路面性状簡易評価パッケージ)」を開発しました。2023年度よりβ版として提供を開始します。
「路面性状簡易評価パッケージ」は、生活道路の状態を把握して補修計画の根拠づくりをしたい道路管理者向けに、スマートフォンやカメラ付きデバイスを用いて路面のひび割れや段差を測定し、独自のAI技術を用いてデータの解析を行い、ひび割れ率やIRI(平坦性)を算出するサービスです。
スマートフォンや車載カメラなどのデバイスで撮影した動画や画像データを用いることで、従来の路面性状調査を行う専用測定車が通れないような狭い道路や生活道路においても、低コストで損傷具合に応じた路線評価を行うことができるようになります。
本サービス企画開発の背景
道路の維持修繕業務では、日々の道路巡回で事故に直結する緊急性の高い道路損傷を発見し舗装対応をする他、工事対応要否や補修タイミングを見極めて、中長期的な舗装計画を策定して対応する場合があります。その施策の一環として、多くの自治体で大規模な路面性状調査が行われています。
アーバンエックスでは、これまで、自社開発のAIを活用した道路損傷検知サービス「RoadManager」を提供して日常管理業務の効率化を支援してまいりましたが、路面のひび割れや段差検知を測定して路線評価ができるシステムを求めるお声がありました。そこで、道路管理業務の更なる簡素化と高効率化を目指し、スマートフォンを用いて路面の状態を測定・評価を行うAI技術の研究開発を行うことにしました。
自治体が実施している路面性状調査では、特に路面のひび割れや段差を注視している自治体が多くあり、特に交付金を申請している場合には、ひび割れや段差などの調査結果を国が指定している基準に沿った形式で報告することが求められます。一方で、従来の路面性状調査は5年に1回の大規模で高コストな調査であるため、調査期間の狭間での路面の劣化状況の確認がしづらいことや、路面性状調査自体は自治体が管轄する全路線で行われているわけではなく、幹線道路などの一部路線に限定している場合が多いことも判りました。
本サービスの企画にあたっては、(1) 国庫補助を申請できる指標での測定基準を満たすこと、(2) 自治体の道路管理者が庁内や国庫補助使用の報告に使い易いデータを提供すること、(3) 路面性状測定車両が入れないような狭い道路を測定ができる低コストなサービス提供をすること、をポイントに進めてまいりました。
「路面性状簡易評価パッケージ」について
「路面性状簡易評価パッケージ」は、スマートフォンやカメラ付きデバイスで撮影した動画・静止画やセンサー情報から、路面のひび割れ率、IRI、MCIなどを指標化するサービスです。生活道路などの細い道路の状態を測定・解析し、補修計画を策定するためのデータとしてご利用いただくことを想定しており、専用の路面性状測定車を使わずに、国が指定している指標(ひび割れ率、IRI、MCI)で路線の簡易的な評価を行います。
データの測定にあたっては、車内のダッシュボードにスマートフォンを設置し、専用アプリを通して自治体側で路面を動画撮影していただきます。その後アーバンエックスにて測定データの解析を行い、ひび割れ率やIRI、MCI値の算出結果をCSVデータや地図上で可視化したGISのシェイプデータ、画像の提供を予定しています。将来的には、出力結果が管理画面(Webダッシュボード)で確認できるようになり、更に視覚的なデータ活用をサポートする予定です。
本サービスは2023年度からβ版の提供を開始予定で、現在は複数の自治体での走行データを取得して実証実験を行っています。実証実験の結果を元に本年度中にシステムの改善とサービス化に向けての最終調整を行ってまいります。
新技術の開発
今回の「路面性状簡易評価パッケージ」の解析に使用しているスマートフォンなどのデバイスでひび割れ率を算出する技術は、アーバンエックスが独自に研究開発した新技術です。(2022年7月特許出願済:特願2022-116149)
本技術ではスマートフォンやドライブレコーダーなどの単眼車載カメラのみで正確なひび割れ率を算出しますが、その際、2次元の車載カメラ映像からひび割れ率を算出する手法と異なり、アーバンエックスが開発した手法は3次元復元して鳥観図を作成することで、定義通りに正確なひび割れ率を算出することが可能となります。また、鳥瞰図を生成することにより、実際に路面のひび割れ状況を可視化することができます。
出力可能なデータは次の3種類です:(1) 鳥瞰図データ(損傷の評価区間における路面の平面図を示す情報)、(2) 路面損傷データ(鳥瞰図データに対して単位領域ごとの損傷情報が割り当てられた情報)、(3) 道路損傷マップ(地図情報に評価区間ごとの路面損傷データが重畳された道路マップ)。
▼測定イメージ
▼出力結果イメージ
道路損傷検知サービス「RoadManager」について
道路損傷検知サービス「RoadManager」は、スマートフォンやドライブレコーダーを用いた道路の総合管理ツールです。車内に設置したスマートフォンやドライブレコーダーから得られる画像から路面の損傷箇所をAIを活用して自動検出し、Web上の管理画面にて地図や損傷の詳細な情報を表示することで、自治体などの道路管理者が補修対象の選定や補修箇所の指示書作成を行うことができるシステムです。過去に30以上の自治体にて実証実験を行い、現在は東京都、神奈川県を含む20以上の自治体、国道事務所、海外での採用実績があります。
【商品概要】
製品名 :「RoadManager」
概要 :AIを活用した道路の総合管理ツール
今後の「RoadManager」サービス開発予定
なお、すでに展開済みの道路損傷検知サービスを皮切りに、道路管理に関わるサービスをパッケージ単位で販売する予定です。それに伴い、現在、道路損傷検知サービスの製品名である「RoadManager」は、ブランド名称に変更予定です。
株式会社アーバンエックステクノロジーズについて
アーバンエックスは、データとAIを活用して「道路メンテナンス」方法の改革を目指す東京大学発スタートアップです。
【会社概要】
社名 :株式会社アーバンエックステクノロジーズ
本社所在地:東京都渋谷区渋谷1-12-2 クロスオフィス渋谷 706
代表取締役:前田 紘弥
事業内容 :都市インフラ管理のデジタルサービス
設立 :2020年4月
WEBサイト:https://www.urbanx-tech.com/
本件に関するお問い合わせ先
本リリースに関するお問い合わせは下記までお願いいたします。
【サービスに関して、または、自治体様からのお問い合わせ】
株式会社アーバンエックステクノロジーズ
担当:小川
【その他、会社に関するお問い合わせ】
株式会社アーバンエックステクノロジーズ
担当:谷