第2創業期の中核を担う、元プロダクトマネージャーの挑戦 ー 管理部長 山中インタビュー

アーバンエックスは、2025年7月1日付で株式会社ゼンリンの子会社となり、スイングバイIPOを目指し、新たなフェーズに入りました。この体制変更に向けて、バックオフィスを強化するためにプロダクトマネージャーからコーポレート部長に転身したのが山中です。

プロダクトマネージャーとして入社した際のインタビュー

今回は、山中のキャリアシフトや、管理部門にいるからこそ見える第2創業期の面白さについてインタビューしました。

プロダクトマネージャーからのキャリアシフト

— 現在の役職と業務内容について教えてください。
2024年6月からコーポレート部長に着任しました。実際にはその数ヶ月前から徐々に管理業務に近い役割にシフトし、現在は財務・会計を中心に、コーポレート全体を見ています。前職まではプロダクトマネージャーから取締役として経営に関わっていたので、このポジションで働くのはアーバンエックスが初めてです。

— 管理部長へとシフトするきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは、ゼンリンとの資本提携に関わる業務が発生したことでした。
以前からPLや資金繰り表、報告資料の作成など、社内の経営管理まわりのタスクは私が担当していたのですが、資本提携を機に、より精緻な財務・経営情報を外部に報告する必要が生じました。「誰がPLを整えるのか」「どのように報告体制を構築するのか」といった課題が自然と立ち上がり、その流れの中で私が責任をもって取りまとめる形になりました。

当時はまだ経営管理の体制が十分に整っていなかったため、前職で役員として経営管理にも携わっていた経験を活かし、課題を可視化しながら整備を進めていきました。

結果的に、管理機能を再構築しながら組織基盤を強化していくフェーズで、コーポレート部門長という役割を担うようになりました。
今では、財務・法務・人事・経営企画といった幅広い管理機能を横断的に連携させ、事業部が安心して挑戦できる“土台づくり”を自らのミッションとしています。


— プロダクトマネージャーからバックオフィスへの転換に抵抗はありませんでしたか?
少しありました。年齢的に、このタイミングで管理部門に進むということは、もうこのキャリアで生きていく覚悟をしなければいけないという実感がありました。ただ、それ以上に「自分がやらないと会社が前に進まない」という思いが強かったですし、何より今の仕事には面白さを感じています。

バックオフィスから見える、今のアーバンエックスの面白さ

— 現在の業務やアーバンエックスのフェーズのどのような点に面白さを感じていますか?
自分が動いたことで会社が前に進むという感覚があることでしょうか。例えば、7月に発表したゼンリンとの資本提携に関するプロセスもその一つです。代表とフロントに立ち、一連のプロセスに関わる経験ができました。この時は「管理部門業務を担っている」というよりは、「会社をつくっている」と強く実感しました。

— 管理業務における学びや難しさはありますか?
大手企業のCFOのような資金調達スキルや制度設計の知見に関しては、まだまだ知識不足を痛感しています。ただ、現場で何が起きているかを理解し、どうやったらスムーズに業務が進むかを考える点では、前職やアーバンエックスでのプロダクトマネージャーとしての経験が活きていると感じます。数字を見るだけでなく、それが現場における何を意味するのかを考えるようになりました。

— このフェーズの企業で働く醍醐味とは何でしょうか?
このフェーズの面白さは、戦略と実務の距離が極めて近いことです。
経営企画や管理機能の整備が、直接的に事業のスピードや信頼性に影響します。制度や仕組みを整えることが、単なる管理ではなく、挑戦のレバレッジになる。

そのダイナミズムを日々感じられるのが、今のアーバンエックスで働く醍醐味です。

スタートアップ企業における管理部の意義

— バックオフィスにおける「守り」と「攻め」のバランスについて、どう考えていますか?
私自身、単なる守りの管理部門ではなく、メンバーの挑戦を後押しする存在でありたいと考えています。制度やルールを整えるのは、現場のメンバーが安心して前に進めるようにするためです。むしろ、積極的に会社全体の挑戦を加速させる存在になるべきだと思っています。

— 管理部門の業務として、カルチャーづくりにも強く関心をお持ちですね。
カルチャーは「挑戦の加速」に強く関わっていると思います。
制度やプロセスを整えることも大切ですが、どんなに良い仕組みを作っても、チームの信頼関係がなければ機能しません。そのために、ワークショップや対話の機会を意図的に設け、組織全体で価値観をアップデートすることを意識しています。“みんなでつくるカルチャー”という意識が強まるほど、挑戦のスピードも確実に上がっていくのを感じます。そういう意味で、カルチャーづくりと数字は切り離せないものだと実感しています。

社会を変えられる仕事ができる

— 会社として、山中さんとしての将来的なビジョンや、次世代への想いがあれば教えてください。

私が今やっている一つひとつの業務は、すべて次の世代に渡すバトンだと思っています。人手不足が進む中で、インフラが持続可能であるためには、今から仕組みを変えていく必要があります。自分が手を抜けば、未来の誰かがそのツケを払うことになる。だからこそ、今できることは全力でやりたいと思っています。

また、「公共インフラをスタートアップが変えていく」という挑戦にこそ、今強くやりがいを感じています。

これまで国や自治体が中心となって支えてきた領域に、私たちのようなスタートアップが加わることで、新しい視点やテクノロジーの活用が広がりつつあります。実際に、内閣府のSIPや国土交通省・経済産業省のSBIRといった国家プロジェクトに採択いただき、官民連携の現場で新しい実証や仕組みづくりが進んでいます。私たちは、これまで行政が培ってきた知見に敬意を払いながら、スタートアップとしての柔軟さと技術力で、社会インフラの持続性を高める一助になりたいと考えています。

— 今後、どのような人と一緒に働きたいですか?
立場に関わらず、事業を自分ごととして捉えられる人と働きたいです。バックオフィスの役割は、事業を止めないこと。そのためには「これは自分の仕事じゃない」と線を引くのではなく、自分から染み出して関わっていける人が必要だと思います。

— アーバンエックスの次の挑戦が楽しみです。ありがとうございました!

山中隆太郎さん

新卒で大手人材サービス企業に入社し、営業を経験。その後、複数企業でディレクターや事業企画を歴任し、前職のスタートアップでは事業統括の取締役として経営に携わる。アーバンエックステクノロジーズ入社後は、プロダクト部長として事業計画の立案やサービス改善をリードし、国土交通省・経済産業省のSBIRなど、複数の国家プロジェクトをマネジメント。2025年6月よりコーポレート部長に就任し、M&A後の新しいフェーズに合わせて、事業部が思いきり挑戦できる“安心の土台”をつくることをテーマに、日々の仕組みづくりやカルチャーづくりに向き合っている。

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