アーバンエックステクノロジーズで、産休・育休を経て、再スタートした梅野さんのお話
2020年に創業したアーバンエックスは、スタートアップながら経験豊富なベテラン社員や子育て中の社員も多数在籍しています。一方、産休・育休については、2023年まで実績がありませんでした。
今回は、社内で第1号の事例となった梅野さんに、スタートアップでの産休・育休についての現実と、復帰してからのお考えの変化について聞いてみました。
入社から3年。育休取得の不安は「変化のはやさ」
— 入社から育休に入るまでの業務について教えてください。
業務委託として数ヶ月働いた後、2022年の1月に正式に入社しました。通算すると3年以上。ビジョン・ミッションの策定プロジェクトも担当するなど、アーバンエックスの中では、かなり初期から関わっているメンバーだと思います。
育休に入るまでは「RoadManager」のプロダクトマネージャーをしていました。2024年の3月から育休に入り、1年間お休みして、2025年4月に復帰しました。
— スタートアップで育休を取得することに対して、不安は感じていましたか?
最も不安だったのは、復帰したときに「浦島太郎状態」になることでした。スタートアップは、本当に状況の変化が早く、1〜2ヶ月でプロダクトの方向性が変わるということも有り得ます。復帰しても同じポジションがあるのか、あるいはプロダクト自体が今の形で残っているのかが気がかりでした。
ただ、取得すること自体への不安はありませんでした。代表の前田さんが、私より早く育休を取得していて、その経験からスーパーフレックスタイム制度を導入する等、制度面でも配慮をしてくれていたので、安心感がありました。
— 業務引き継ぎはどのように行いましたか?
まず、自分の業務を細かく棚卸しして、タスク単位で誰に渡すかを整理しました。完全に同じ役割の人がいるわけではなかったので、近い役割の人や同じチームのメンバーに一時的に近い役割の人へ引き継ぎ、その後、産休中に入社したプロダクトマネージャーへ少しずつ業務を移す。そんな二段階のプロセスを踏みました。
— 引き継ぎ時、気にかけた点があれば教えてください。
自分が持っていた手動テストなどをなるべく自動化し、産休に備えました。具体的には、E2Eテストを「Playwright」で行うようにし、Excelで管理していたテストケースをコード化する作業を進めました。結果的に、業務の属人化も減らせたので良かったと思います。チームから自分が抜けた後の混乱も少なく抑えられたのではないかと思います。

育休中も重要な情報はキャッチアップで「浦島太郎」防止
— お休み中は、どのように過ごされていましたか?
もちろん業務を行うことはありませんでしたが、あえて、Slackからアカウントを削除するような処理はしてもらわず、気になる時には見れるようにしてもらっていました。また、四半期に一回程度は、大きな情報共有が入る会議もカメラオフ・発言なしの「耳だけ参加」をし、ラジオのような感覚で情報をキャッチさせてもらいました。
「会社が今どうなっているのか」をなんとなくでも感じられたことが、本当にありがたかったです。一番怖かった「浦島太郎状態」を回避できました。復帰後に1年分の情報を追いかけることを想像したらストレスが大きかったと思います。
— 復帰にあたってのギャップや戸惑いはありましたか?
思っていたよりありませんでした。会社の大きな変化はつかめていたし、復帰前に、事前に開発チームのメンバーと話す機会も作ってもらっていたので、心の準備ができていました。
— 復帰前後での変化はありましたか?
復帰にあたっては、担当プロダクトが変わりました。以前担当していた「RoadManager」を離れ、今は「My City Report」を担当しています。完全に再スタートという感覚で、一から学び直している最中です。個人的には新鮮な気持ちで取り組めて、楽しいですね。
福岡移住で復帰に備える。復帰後の働き方も早めに相談
— 現在はどのような働き方をされていますか?
実は、産休・育休中に実家のある福岡県へ引っ越しました。現在はフルリモートで働いています。夫もフルリモートで働いているため、保育園の送迎は分担しています。ひとりは8時に保育園へ送り、9時から18時まで仕事。もうひとりは、17時には一度切り上げてお迎えに行くようにしています。夫婦でフルリモートでなかったら…と思うと、どんな働き方をしているのか想像できません。
このタイミングで移住を決意した一番の理由は、育児のサポートをお願いできる環境を整えるためです。実家からの距離はさほど近くないのですが、福岡にいれば、いざという時に頼れる親族がいることが安心感につながっています。関東だと親族もおらず、完全に孤立育児になってしまうことを恐れていました。
— 実際に出産・育児を経て、働くことに対しての捉え方に変化はありましたか?
「仕事に100%のエネルギーは使えない」と感じるようになりました。体力・気力を子どものためにも残しておかなければいけない気持ちがあるので、無理をしないスタイルにシフトしています。
— 産休・育休経験者として、今後の取得者が生まれることを見越して、会社の改善点があれば教えてください。
どうしても少人数の会社の場合、業務は属人化しがちです。日頃から業務内容について共有したり、ドキュメントを整備したりすることは今後も心がけたいと思います。また、スタートアップだからこそ、復帰先があるかどうかの保証はないと考えていました。今回、自分自身の状況に合わせてポジションを設けてもらうことができましたが、早い段階から復帰先について話し合っておくことは重要だと感じます。

未来のアーバンエックスメンバーの方へ
— これからアーバンエックスへ入社を検討される方にコメントをお願いします。
アーバンエックスは、子育て中の社員も多くて、育児に理解がある会社です。子どもを起因としたイレギュラーな予定が発生することなどは、特別なことではありません。育休も復帰も、「制度としてある」だけではなく、実際に活用できる雰囲気があります。
私自身も不安はありましたが、チームのサポートと柔軟な環境のおかげで無理なく復帰できました。スタートアップにも、キャリアと生活の両立がしやすい環境はあるので、安心してください。
プロフィール

梅野 陽加里
大学院で情報デザインを学び、新卒で大手総合印刷会社に入社。自然言語処理のプロジェクトに従事したことから「AI」や「DX」の分野に興味を持つ。大学時代の友人をきっかけにアーバンエックスで副業を始め、2022年1月に社員として正式に入社。産休までは「RoadManager」のプロダクトマネージャーに従事し、現在は「My City Report」のプロダクトマネージャーとして奮闘中。
		

