アーバンエックスには、「道路」というドメインに精通した専門家が多数活躍しています。中でも今回は、高速道路会社出身で「高速道路ドライブアドバイザー」の経験もある福冨と、品川区役所で40年間一貫して道路関連の業務に従事してきた片桐に話を聞いてみました。聞き手は、自治体で働いた経験を持つ、谷本でお届けします。
「道路」の最前線で働いてきたメンバー
ー 「道路」を支える仕事に従事してきた二人の経歴
谷本:まずはお二人のこれまでの「道路」との関わり方を教えてください。片桐さんは40年、まさに現場の第一線ですよね。
片桐:私は品川区役所で、設計、工事計画、そして維持管理と、道路行政のあらゆる工程を経験してきました。一見すると、私は道路のスペシャリストのように見えますが、自治体で道路の幅広い業務に携わってきた立場から言えば、道路の「ゼネラリスト」なんです。
道路はインフラの基本であり、すべてのライフラインのベースとなる大事な要素です。道路の先にしか、その他のインフラが生まれないという考え方です。
福冨:私は高速道路会社で、道路の新線建設や渋滞解析に携わっていました。「高速道路ドライブアドバイザー」として、SNSやメディアを通じて、道路管理者が何をしているのか、なぜ渋滞が起きるのかを一般のお客様にわかりやすく伝える役割も担っていました。
谷本:お二人は、アプローチは違えど「当たり前の日常を守る」という点では共通していますね。
ー 「道路」に関わる醍醐味とは?
谷本:お二人にとって、道路というインフラに関わる醍醐味は、どんな点に感じていましたか?
福冨:道路の面白いところは、「すべての人の生活を支えている」点です。「高速道路には乗らない自分には関係ない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、ECサイトで買った商品がすぐに届くのも、コンビニにお弁当が並んでいるのも、すべては道路があるからなんです。普段、道路を意識していない人の生活さえも、我々のような仕事が裏側で支えているという自負がありました。
片桐:一方で、管理側の苦労は絶えません。道路という膨大な資産を「良好な状態で維持する」のは義務のようにも思われますが、これが非常に難しいんです。維持管理は地味で目立たないため、自治体としても住民の理解度が弱いと、道路の維持管理ために必要な予算が削減される可能性があるという現実もあります。
谷本:私も自治体出身なので分かります。この仕事に携わる以前は、パトロールカーを見て「何の車だろう?」と思っていましたし、住民の方ならなおさらです。でも、その一台が道路の損傷を見つけることで事故が防がれているんですよね。この「目立たないけれど絶対に必要な業務」に対し、アーバンエックスのAI技術なら、予算や人手不足という行政の弱点を明確に補完できると感じています。
それぞれが感じる、アーバンエックスでの可能性
ー なぜ転職したのか。なぜ働き続けるのか。
谷本:福冨さんは新卒で安定した企業にいたわけですが、ご転職を決断した背景にはどんなお気持ちがありますか?
福冨:もともと、新卒の実務経験がない頃に抱いた志望動機のまま、40年間変わらずに働き続けるのは、何かが違うと思っていました。だから、定期的に「今の環境に残る」「外の環境に飛び出す」を平等に天秤にかけて考えていました。
そんなマインドを持って働いていたので、大企業に居た頃も既存のルールを疑い、本質的に問題を解決できるのであれば、手法を変えてしまうような提案もしていました。しかし、大きな組織ゆえに実行までに膨大な時間がかかってしまいます。一方で、アーバンエックスのようなスタートアップでは、意思決定の速さが圧倒的に異なります。朝話した「こうしよう」が、その日に即実行に移せる。このスピード感はスタートアップならではの快感です。
片桐:私は品川区役所を定年退職しています。しかし、定年後も「新しい仕組みが消えないようサポートしたい」という思いがありました。品川区にアーバンエックスのサービスを自ら導入しましたが、自分がいなくなった後も運用し続けられる仕組みが残るようにしたかったのです。品川区自体は私が去るまでになんとか運用できる状態になりましたが、今度はそれを広めたいという気持ちで仕事を続けています。
行政の内部にいると、大手SIerや建設コンサル等の方々とお話しする機会は多く、実際に多くの取り組みを行ってきました。しかし、大きな会社がスピーディーに方針を決めたり、変更したりするのは難しいのが現実です。そんな仕事をしてきた中で、代表の前田は、話が具体的でとにかく進むのが早く、気持ちよく仕事ができました。そんな環境であれば道路インフラ管理で成果が出せるに違いないと考え、アーバンエックスで働くことを選びました。
10年後のインフラを守るのは私たち
ー 業界出身者が考える10年後のインフラ未来。
谷本:少し大きな話になりますが、10年後のインフラメンテナンスはどうなっていると思いますか?
福冨:AIの精度や物理デバイスの性能は加速度的に良くなることでしょう。しかし、現場の人手不足はそれ以上のスピードで深刻化するはずです。私たちはただ「技術が良くなるのを待つ」のではなく、「自分たちが技術・手法を革新しないと、本当に日本のインフラが崩壊する」という危機感を持って取り組まなければなりません。そんな気持ちで日々の業務に邁進しています。
片桐:インフラの安定度は、その国の経済力の指標とも言えます。地方自治体によって、インフラの整備度合いに格差が出始めているのも、その一例だと思います。道路インフラの質をAIで底上げすることが、結果として日本の国力を高めることに繋がる。そんな壮大なビジョンに向かって、道路管理の手法を変えていく未来を描く必要があると考えています。
谷本:自治体出身者として思うのは、技術があっても、自治体側がそれを使えるリテラシーや体制を持っていなければ意味がないということです。実際に、我々のサービスの導入が進まない理由として、『今は従来の手法で問題ない』という判断をされるケースが多いです。そこに対して、私たちは単なるサービス提供者ではなく、「10年後を見据えた伴走者」でなければいけないと思っています。迫り来る課題に対して、今から一緒に考えていく姿勢が求められていると痛感します。
ー これからアーバンエックスに入社する方へ
谷本:最後に、これからアーバンエックスに入社を考えてくれる方へ、この仕事の魅力を伝えて締めくくりましょう。
福冨:今、直轄国道の管理でもAI点検が原則化されるなど、我々にとっての追い風が吹いています。単なる「DX屋」のアーバンエックスではなく、社会インフラという巨大なドメインを通じて社会課題を解決したい人と一緒に働きたいと思っています。
一方で、働き方はスタートアップらしく柔軟性がある環境です。建設業界や道路業界にありがちな「毎日朝から晩まで現場を離れられない」という働き方ではなく、フルフレックスやリモート勤務を駆使しながら働くことができます。社会課題の解決と働き方の両方を得られる魅力的な環境だと思います。
片桐:自治体において、道路維持管理の部署は、日々住民の皆様からの苦情も受けている部署です。人によっては「謝る」のが仕事になってしまい、自治体内での人事においても苦労が多く、敬遠されがちな部署です。しかし、AIの導入などで手法が変われば、住民に喜ばれ、感謝される魅力的な職場に変えられると信じています。真面目に現場を守っている行政の皆さんの「辛さ」を「喜び」に変える手助けを、一緒に進めましょう。
谷本:社会から本当に必要とされている実感を得られる会社ですよね。AIを扱う仕事ですが、何より大切なのは「現場起点」。実際に、自治体の道路パトロールカーに同乗して現場の業務を理解し、お声を聞く。その泥臭いプロセスさえも楽しいと感じられる方であれば、これ以上面白い環境はないはずです。
ー 皆様のご入社をお待ちしています!

プロフィール
福冨 義章

大学院にて交通工学・空間情報学を専攻した後、高速道路会社へ入社。新線の建設工事現場の管理や、道路交通情報データの収集・提供・利活用業務に従事。渋滞予測や安全運転のポイントをメディア等で一般向けに解説する「高速道路ドライブアドバイザー」も務める。その後、自治体向けの公共交通データ基盤の構築・利活用に携わるスタートアップを経て、2024年3月よりアーバンエックスに参画。
片桐 昇

昭和54年(1979年)に品川区役所に土木技術専門職として入職。以後、定年退職まで一貫して品川区役所で道路にまつわる業務を担当。退職後は、スタートアップ企業や道路補修に関する民間企業でこれまでの経験を活かす。
谷本 真一

北九州市役所に一般事務員として入職。福祉・税分野の窓口業務、イベント企画、施設管理、広報・報道対応、観光・プロモーション業務に従事。デロイトトーマツベンチャーサポート、有限責任監査法人トーマツ福岡事務所への出向を経て、スタートアップ支援、市役所の組織変革プロジェクトを担当。2024年4月アーバンエックスへ参画。




