何のためにAIを使うか — 社会課題に本気で取り組むアーバンエックスの仕事の意義

「しなやかな都市インフラ管理を支えるデジタル基盤をつくる」

これがアーバンエックステクノロジーズが掲げるビジョンです。道路の損傷検知からはじまり、盛土や電柱など、あらゆるインフラの管理へと技術を応用しつつあります。

今回は、アーバンエックスが取り組む領域と意義について、代表の前田と、創業初期から技術面を支えてくれているエンジニアの合田にインタビューしました。

ディープラーニングの発展とともに大学の研究からスタート

— アーバンエックスの事業の始まりについて教えてください。

前田:2016年頃の大学在学中、道路の路面の AI 点検を画像解析で行う研究に取り組んでいました。この頃、ちょうどディープラーニングにおいて汎用的なフレームワークが出現し始めた頃で、専門家でなくても扱える範囲が広がったことも、研究の後押しとなりました。

研究の中で扱ったデータセットを論文で発表する等の活動をしていました。その後、大学を卒業し、一度就職してからアーバンエックスを起業しました。

合田:前田さんとは、小学校時代からの友人でした。たまたまFacebookを開いたら、自分の会社についての情報を更新していて、面白いことをしているなと。それから食事をするようになり、アーバンエックスを手伝うことになりました。

社会課題とともに、対象領域を拡大中

— 最近はどのような領域に事業を広げているのでしょうか。

前田:道路点検から派生したプロジェクトが多数生まれてきました。例えば、盛土、高速道路、電柱などです。車のダッシュボードにAndroid端末を付けて利用する手軽さから、応用できる場面も広いですし、民間企業様のPoCプロジェクトも多数進んでいます。

— 具体的には、どのようなプロジェクトが進んでいますか?

前田:例えば、東京都と実証実験から実施した「盛土」のプロジェクトがあります。

2021年7月に、静岡県熱海市伊豆山地区で大雨に伴い不適正な盛土が崩落し、大規模な土石流災害が発生したことから、自治体は盛土の「把握」と「管理」が求められるようになり、一気に業務が増大しました。これを解決するために、道路管理の技術や、市民投稿管理のサービスの仕組みを応用しています。

前田:また、電力会社のように工場など設備を保有していて、敷地面積が広く、敷地内に自治体と同様にインフラを持っている企業での応用も進めています。例えば、電柱の老朽化を管理する等です。これらはまだ、PoCとして企業と実証実験を進めている段階ですが、研究の成果をさらに他業界にも転用したいと考えています。

他にも、6月からは首都高技術様との長年の取り組みで、既存の道路管理の技術を、一般道よりも高速に走る首都高で応用した取り組みが事業化しました。特に、首都高のような場所では、道路の損傷が大きな事故につながるリスクがありますし、点検中で車線規制が行われているエリアに誤って突入した車両によって作業員が死傷する事故も発生し、社会問題となっていました。これを車から降りずに点検できるようになれば、また一つ課題が解決できるのではないかと思います。

このような、応用範囲を広げて役立つポイントを探しているところです。主に事業開発部が実証実験を進めています。

— このような領域でAIを活用しているエンジニアは多くいるのでしょうか?

合田:今はまだ多くないはずです。だからこそやる価値があります。まだ取り組んでいる人が少ない分、研究段階から事業展開、そして社会実装まで、一貫してたずさわれるのが魅力です。

前田:ご自身の仕事の影響の大きさを感じながら仕事をしていただけると思います。生成AIの時代も到来していますし、会社としては生成AIツールをフル活用し、ひとりで10人分の成果を出せるスタイルを追求したいですし、そこに賛同していただける方を採用したいです。社員には、「変で面白いこと」「お客さんに喜んでもらえること」「結果として社会貢献できたと思えること」を任せたいですよね。

研究から社会実装まで、自らの手で取り組む面白さ

— 技術的な面白さはどこでしょうか?

合田:この領域特有のAIモデルを開発するからこその面白さがあります。例えば、天候や撮影条件など、変化の大きい現実世界のデータから高精度なAIモデルを開発する点は難しくもあり、やりがいになります。

また、対象としている道路、盛土、電柱など、インフラの種類ごとに異なる特性を持っています。その特性を把握し、課題に対して最適なAI技術を追求する点には、興味を持ってくださる方もいらっしゃると思います。普段から目にするインフラですが、この仕事をしてから知ることも多々あるので、ニッチな情報に詳しくなりますよ(笑)

そのような技術領域で、技術の「研究」から始まり、実際に社会インフラの維持管理に使われることまで見届けられるのは、この会社ならではだと思います。

— アーバンエックスには、どんな方がフィットするでしょうか?

前田:単なる技術力を高めたい、というモチベーションではなく、「この社会課題を一緒に解いてみたい」と思えるかどうかは、アーバンエックスで働く上で必要な価値観だと思います。社会課題を自分ごととして考え、解決に向けて自分の技術を使いたい、そんな人をお待ちしています!

合田:取り組んでいる人が多くないからこそ、論文化できるレベルのチャレンジが目の前にたくさんあります。現在も論文化を目指しているプロジェクトがあり、アーバンエックスが開拓している状況です。ぜひ一緒に挑戦しましょう。

前田 紘弥 / 代表取締役
東京大学工学系研究科社会基盤学専攻修了。株式会社三菱総合研究所を経て、株式会社アーバンエックステクノロジーズを設立。 未踏AD2020。Forbes 30 under 30 Asia 2021。博士(工学)。

合田 真規 / 事業開発部
外資IT企業のヘルスケア部門にて、主にモバイルトランスフォーメーションを従事した後、アーバンエックステクノロジーズに入社。

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